• light-purple5

費用負担は貸主又は借主?

最終更新: 3月21日


賃貸物件の明渡し時における原状回復費用の負担は、貸主又は借主のいずれが負担するかを意識した上で、借主は善管注意義務を履行して部屋を使用していれば、退去時の費用負担を免れることができます。



そもそも善管注意義務とは、民法第400条に規定される「善良なる管理者の注意義務」のことであり、社会で一般的に要求される管理者としての注意義務を課す趣旨です。



マンション賃借人もこの明文による管理者としての社会的地位により、善管注意義務が課されています。



お部屋探し予定の方も、現在借りられている方も、これから退去予定の方も、部屋内部を汚損・破損などさせないように管理する義務がある半面、管理権限があります。



改正民法400条は、「債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない」と明文化しており、債務者とは賃借人のことです。



しかし、明文のみからではマンション賃借人の地位として一般に要求される注意義務の具体性が欠けており、重説の際も詳細説明されず簡略化されているはずです。



つまり、費用負担の詳細も明らかにされないまま部屋に住んでいることが原状です。



おおむね次の実務事例により借主は義務違反を免れ、退去時の費用負担が減免され、敷金返還されるはずです。



天井に設置した照明器具の跡

:あらかじめ設置された照明器具用コンセントを使用しなかったことで損耗させた場合、借主に義務違反を問うことができるため、負担区分は借主。



キャスター付きの椅子等によるフローリングのキズ、へこみ

:フローリングのキズ等の発生は、キャスター使用により通常予測されることであり、発生させた損傷は、借主の義務違反を問うことができるため、負担区分は借主。



居室のハウスクリーニングについて

:借主が、通常の掃除(ゴミの撤去、掃き掃除、水回り、換気扇、レンジ回りの油汚れの除去等)をしている場合、借主に義務違反を問うことはできないため、負担区分は貸主。



フローリングのワックスがけ

:ワックスがけは通常生活における義務では無く、むしろ物件そのもののを維持管理する側面が強いため、負担区分は貸主。



エアコン(借主所有)を設置したことによる壁のビス穴、跡

:エアコンは、テレビ等と同様に一般的が生活をしていくうえで必需品であることから、その設置により生じたビス穴は通常損耗であるため、負担区分は貸主。



日照など自然現象によるクロスの変色

:壁等の変色と同様、日照は、通常生活において避けることができないため、負担区分は貸主。



冷蔵庫下のサビ跡

:冷蔵庫に発生したサビが床に付着しても、拭き掃除で除去可能であれば通常生活の範囲と考えることができるが、サビを放置し、床に汚損等の損害を与えた場合、借主の義務違反を問うことができるため、負担区分は借主。



テレビ・冷蔵庫の後部壁面の黒ずみ(電気ヤケ)

:テレビ、冷蔵庫は通常一般生活において必需品であり、電気ヤケの負担区分は貸主。



壁に張ったポスターや絵画の跡(タバコのヤニ跡は除く)

:壁にポスター等を張ることによって生じたクロス等の変色跡は、日照などの自然現象によるものであり、通常生活による損耗であるため、負担区分は貸主。



重量物を掛けるため、下地ボートの張替えが必要な程度の壁又はクロスのくぎ穴又はネジ穴

:重量物を掲示した場合におけるくぎ穴又はネジ穴は、画鋲等に比して深く、範囲も広いため、通常使用による損耗を超えるため、借主に義務違反を問うことができるため、負担区分は借主。



地震により破損したガラス

:自然災害による損耗であり、借主に義務違反を問うことはできないため、負担区分は貸主。



日照・建物構造欠陥による雨漏りなどで発生した畳の変色

:日照は、通常生活において回避不可能であり、構造上の欠陥を借主に問うことはできないため、負担区分は貸主。



           

   


神戸市垂水区西舞子1丁目9ー6ラムール西舞子4F

From行政書士リバティ法務事務所https://www.liberty-aso.net/ 



兵庫県対応エリア

 神戸市(垂水区・須磨区・長田区・中央区・兵庫区・北区・西区・灘区・東灘区)、明

 石市、加古郡、西宮市、芦屋市、伊丹市、加西市、西脇市、篠山市、三木市、小野市、

 川西市、尼崎市、三田市、宝塚市、姫路市、加古川市、猪名川町、市川町、福崎町、多

 可町、丹波市、淡路市、洲本市、南あわじ市、神崎郡

大阪府対応エリア

 大阪市、吹田市、豊中市、摂津市、三島郡、茨木市、堺市、高槻市、東大阪市、岸和田

 市、枚方市、寝屋川市、八尾市、池田市、箕面市、豊能郡、能勢町、豊能町、島本町、

 泉大津市、和泉市、高石市、泉北郡、忠岡町、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、大

 東市、門真市、四条畷市、交野市、柏原市、富田林市、河内長野市、松原市、羽曳野市

 、藤井寺市、大阪狭山市、太子町、河南町、千早赤阪村、泉南郡、熊取町、田尻町、岬

 町、守口市  




                          written by 行政書士 藤井利仁         

        

最新記事

すべて表示

休業給付は8割支給

交通事故といった通勤災害により負傷等した場合、療養のため労働に服することができないことがあります。 交通事故により入通院を余儀なくされた場合、事業所の指揮命令によらない災害であるため、使用者には賃金を補償する責任はありませんが、労働基準局が労災保険で賃金補償することになります。 休業給付は、待機3日は支給されませんが、4日以降は、一般的に労働不能である休業認定日について、平均賃金である給付基礎日額

通勤災害が認められる場合

事業所において就労する場合、交通事故のリスクを避けることはできません。 職場における災害に限らず、事業所と住居との往復における交通事故についても、通勤災害として労災保険の対象となることがあります。 確かにテレワークは普及してはいますが、住居から事業所に通勤することは日常的であり、通勤途上において、偶発する交通災害の当事者又は第三者となることがあります。 そもそも通勤とは、住居と就業場所との間の移動

労災保険が適用される場合

事業を経営する上で、人事総務に関する知識は不可欠です。 事業所において災害が発生した場合、労災保険が適用されるには、事業所において雇用されており、賃金を支払われている労働者であることが必要です。 このため、事業主によって指揮命令を受けており、就業規則にしたがって他の労働者と同様の態様で就労しており、賃金を受けている場合の同居の親族(6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族)の方の災害は、労災対象とな

Liberty Administrative Scrivener Office

    街に身近な社外法務部をめざします

TEL : 078-785-7828​

​お急ぎの方は​​ 080-4564-3415

E-mail:light-purple@outlook.com

行政書士リバティ法務事務所